2019/04/25
昨日(24日)は一日、弱い雨降りでしたが、夜間から今朝(25日)にかけてはやや強い降りの雨となりました。「これだけ降ったら雪崩が心配だなあ…」となかなか眠れませんでしたが、朝起きてみると、とりあえず小屋の周辺では異常が見られなかったので一安心。
日中は雨も霧雨程度に落ち着いたものの気温はやや高め。そんななか昼食を摂っていると地鳴りが聞こえ、「地震…?」と思っていたら小屋の前を雪の塊がいくつかゴロンゴロンと転がり、小屋の80mほど脇を通るコブ沢で雪崩が発生したのはすぐにわかりましたが、特段小屋への影響もなかったのそのまま昼休みに。
午後3時ころになって視界が晴れてきたので様子を見に行ったら、いままでに見たこともないような巨大な雪崩の跡にビックリ!!
斜面の上のほうは雲に隠れて見えないので発生源は特定できませんが、おそらくは標高2600m以上の場所から岳沢本流の標高1900m付近まで流下する巨大な雪崩でした。
雪崩の末端が登山ルート方面まで覆っているので様子を見に行くと標高2000m付近から長さ150mほどに渡って登山ルートを覆っていました。
まだ営業前で天気も悪くて良かったですが、これが週末や好天と重なっていたら大惨事です。(誰もいなかったと信じてはいますが、家族や知り合いにもし25日に岳沢へ向かっていて、帰ってこない人がいたら警察へ連絡してください)
雪崩に覆われてしまったルートは通るのも困難なので、明日には雪崩跡を避けて通るルートに目印を付け替える作業はいたします。
明日以降は気温も下がってくるようなので、いまある積雪は凍って固まって安定してくると思いますが、26日夜~27日にかけての新たな積雪は表層雪崩を起こす危険も高いので十分にご注意ください。
またGW後半に雨が降ったり、急激に気温が上がれば同じような雪崩が発生する可能性は十分にあります、特に天狗沢は要注意です。
「気を付けてください」と言っても何に気を付ければいいのか!?と聞かれてしまいそうですが、まずはまとまった降雪のあとや、雨・高温などの急激な気象変化の時は要注意。また、気温が上がる午後は雪崩が起きやすいので早朝から行動し、昼には小屋なり幕営地に着いているような行動計画も重要です。あとは常に上部斜面に注意を払い、もし雪崩が起きたら避けられるように避難路を常に考えておくことです。
さて、入山から1週間、除雪作業・小屋開け作業は順調で、雪に埋まっていた小屋も掘り出しはほぼ完了。あさって27日から営業開始となります。